和風建築の再考
本来、日本の家づくりはその土地の気候風土をいかし、環境に留意し創意工夫を重ね代々継承されてきたものです。先人たちの知恵、経験、努力により生まれ継承されてきた多くの優れた技術の結晶が和風建築であると考えます。
しかし現在の家づくりは、規格化・数値化される家の性能ばかりを追求し、この素晴らしい和風建築で培われた伝統技術を軽視しているように思われます。それは画一的で性能にばらつきのない家を早く大量に生産していく面ではしかたがない事なのかもしれません。
例えば最近特に注目されている家の性能は省エネルギー性能、耐震性能等です。高断熱、高気密などの仕様や性能評価により等級やQ値など、基準も数値化され区分化されています。しかし単純に規格を選択し数値を満足したものが環境に配慮された高品質な家なのでしょうか?日本には四季という素晴らしいものがあります。その中で生まれ受け継がれてきた日本の家は自然を人工的に変えていくものではなく、光や風を効果的に取り入れ自然と共存する受動的なものです。実は本来の和風建築とは、住まい手の豊かさを追求するものでありそれは現代の環境性能を重要視する家づくりそのものなのです。
現代の省エネルギー性能や耐震性能を数値的にも十分に満足し、さらに和風建築で培われ細分化された多くの技術や知恵を融合することこそ本当の意味での現代の家づくりであると考えます。画一化されたものを選択して作るのではなく、そのお客様だけの特別な家づくりにおいて最新の技術と長年培われた和風建築の優れた技術を積極的に取り入れていくことが一人一人のお客様のための最高に満足する空間と時間づくりであると志賀工務店は考えます。