広大な田園風景の中、北側の里山から流れるやさしく涼しげな風、季節の移り変わりを感じることの出来る木々、小川のせせらぎ・・・。時間がゆっくりと進んでいるかのような空間、そんな空間での家作りでした。
外観計画
外観は付近の山々との調和を考え片流れの平屋とし外壁は日本の伝統色、藍鼠(あいねず)色、木部は蒲(かば)色としました。 玄関は家の表情や住まい手の人柄が想像できる重要な所。外部のアプローチと内部の玄関をガラスの壁で仕切り、壁(こばタイル張り)、天井(木格子)を連続させることで一体感のある特徴的なファザードとしました。
内部計画
部屋の数は4LDKですが家族構成の変化に合わせ5LDKにも6LDKにもなるフレキシブルな作りになっています。 部屋にその時々のさまざまな役割を担えるよう考え、365日家全体をフル活用出来、将来的にも無駄な空間ができないように計画しました。注文住宅とは住まい手のみが満足してもらえる家であればいいと考えます。既成概念を無くし、規格にこだわらず、自分たちにとっての必要なもの不要なものを整理し自由な発想で考えれば間違いなくオーナーにとってのオンリーワン住宅となると思います。
LDK
勾配天井の広い空間に対面式のキッチンとしました。南側の全開口サッシの外は木格子によってプライバシーの確保されたウッドデッキに繋がります。北側の多目的ルームとは障子で仕切り、ハイサイド窓からの光と風を取り入れました。
床は松、天井はカエデ、壁は珪藻土の壁紙とし自然素材をふんだんに使用しております。
照明計画は落ち着いた空間作りを考え建築化照明(間接コーニス照明)を取り入れいろいろな演出が出来るよう計画しました。
和室
シンプルな中にもこだわりが感じられる空間。 天井・壁/珪藻土壁紙、床/琉球畳(周囲は竹フローリング)、吊押入れ/シナベニア造作
ユーティリティー
バックヤードであるユーティリティー(洗面等)は白で統一し清潔感が感じられる空間としました。 造り付けの洗面台正面、鏡収納の上下からのやわらかな間接照明が落ち着いた空間を演出します。
スタディーコーナー
LDKに近接した空間に家族みんなが作業できる書斎に机を設けました。奥の窓はピクチャーウィンドーになっており移り行く里山の姿を感じることが出来ます。
ホール
天井/木格子自然塗料着色、壁/こばタイル張り・シナベニア造作、床/桧無垢縁甲板・タイル張り、式台/桧無垢材 カリンヤトイザネ加工