作品紹介
丘の上に立つ白い家
空間の可能性を創造したい。家作りってキャンバスに、さまざまな色や形で絵を描いていくことに似ています。ただちょっと違うのはすべてを自由に描けるわけではなく、多種多様な要素や条件を満たすことが必要になるって事です。要素とはお客様のご要望や耐震性、省エネ性能など、条件とは立地条件、法律などです。しかし私にとっての家作りは絵を描くよりもっと自由です。それは万人受けする価値観や既成概念にとらわれずただ一人のお客様のための家作りだからです。家を作るにおいて絵を描く真っ白なキャンバスは無限の可能性を秘めた空間であり、そこに自由な造形を創造したい。世界でお客様だけが最高に満足する時間と空間を創造したい。そんな「オンリーワンの家作り」がいままでもそしていまからも私の設計の信念です。
3F living dining kitchen
丘の上に立つ最大メリット。それは間違いなく眺望。市内を一望できるこの空間は設計当初より3階に設置されることが決まっていました。
3F living dining
家具職人が丁寧に作り上げた壁面収納には映像機器、音響機器が納まる。天井に隠された電動スクリーンを下げるとミニシアターが楽しめる。
3F Kitchen
アイランドキッチンを中心に、ここに集う人たちが会話を楽しみながら調理できる空間。
2F Balcony
春には柔らかな陽だまりを感じながらお昼寝、夏にはベビープールで子供の水遊び、秋にはすずしい夜風を感じながらお月見、冬は初雪の朝、うっすらと積もった雪のまぶしさが感じれる、そんな四季の移り変わりが待ち遠しくなる空間。
2F Master bedroom & Childroom
プライベートな空間である寝室、子供部屋は3部屋を一つの空間と考えています。その空間をオープンにしたり仕切ったりすることで将来の家族構成に合わせフレキシブルに対応できます。
1F Dressingroom & Utility
脱いだ服の動線を考えれば脱衣室と家事室は当然隣り合わせ、脱衣、洗濯、物干し、アイロン掛け、収納、着衣と一連の流れを考えた空間です。
1F bathroom
1F Family Entrance
玄関の役割は当然ですが家の出入りでも家族もお客様もとなると掃除や整理も大変です。でも家族専用の玄関があれば靴も脱ぎっぱなしOK、この空間自体を納戸と考えているためコートや靴等もオープンな収納ですぐに使え便利です。車からの荷物も仮置き出来ます。つねに家全体を整理するのは難しいことです。すこし乱雑に使えるこんなルーズな空間があればこそ、いつもきれいにしときたいLDKなんかが非日常的なスタイリッシュな空間となります。
1F Entrance
外部はガラスと柱の連続、玄関戸は重厚な無垢の板を使い、扉の押し棒はオリジナルでデザインしました。内部はエレベーターに続くタイル張りのキュービックな踏み石、その周囲は那智黒の玉砂利敷き、壁には小さな石を張り様々な無機質なテクスチャーを組み合わせシンプルな造形でまとめたギャラリー空間。
1F Garage
休日オーバースライダーをあけドライブに出かけたり、また時にはゆっくりと照明に照らされるボディーラインを眺めたり、車とともに過ごすことが楽しくなる演出をされた空間。
Architectural Works Photos
昔ながらの和風住宅を現代の生活スタイルに合わせて全面的にリフォーム。小さく区切られた部屋を大きなLDKに変化させ断熱性にも配慮した快適な癒しの空間に。
現在、家族のつながりやありかたについて問われる中でその根っこの部分はコミュニケーション、一緒にすごす時間を大切にすることです。そんな当たり前のことが当たり前にできる空間を作りたい。そんな思いが今回のリフォームにはたくさん詰まっています。
天井材には桜無垢材、床材はメープル無垢材。キッチン床にはテラコッタの白色タイルを使用。木は時が経つごとに傷や変色していきます。その変化は家族の大切な歴史になっていく。
広大な田園風景の中、北側の里山から流れるやさしく涼しげな風、季節の移り変わりを感じることの出来る木々、小川のせせらぎ。時間がゆっくりと進んでいるかのような空間、そんな空間での家作りでした。
本来、日本の家づくりはその土地の気候風土をいかし、環境に留意し創意工夫を重ね代々継承されてきたものです。先人たちの知恵、経験、努力により生まれ継承されてきた多くの優れた技術の結晶が和風建築であると考えます。
コンセプトを「続・新日本の家 伝統と革新の融合」とし伝統的な日本家屋を現代的なデザイン手法と設備を取り入れ融合する、この命題にオーナー様の御要望を考えながら今までとはまた違った別のアプローチで取り組み作り上げた家です。